浪人とは「良人への水攻め」である。ただひたすらに酷い仕打ちである。
「やっぱ気を遣わせてしまうんやろな。」
そんな不安だけがつのるここ最近。
RONIN生活から脱出し、
大学に入学してもうじき一ヶ月。
新生活にもなれてきたことだし、
日々の出来事や思いなんかをてきとうに記録していこうと思う。
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先週の金曜日、4限目の半ば頃、
当日のグループワークが終わり、ようやく退屈な作業から開放された僕は、
まだ作業の終わっていない班のメンバー、シェンを待つ間、
まくろー や め~ん、ペコタロウなんかとだべって時間を潰していた。
シェンの所属する班には、
恐ろしく頓馬なメンバーが含まれていて、
おそらくそのグループは、
延長ギリギリ、午後6時までの地獄耐久コースになるだろうことが確実だった。
そして、それを待つ僕らも、
別に放課後これと言った用事もなかったわけで、
エクストララウンド二時間ぶっ通っし話題耐久コース
を走り出すことに。
しかしまあ、出会ってまだ一ヶ月も経たない僕らの間柄では、
お互いのことをほとんど何も知らなかったし、
これと言った共通の話題もなかったから、
そんな無謀な挑戦がまかり通るはずもなく、
とりあえずでその糞ポンコツなアホたれ叩きを始めたのはいいものの、
(シェンはブチブチにブチギレてボロカスにディスってたけど)
そんなことにはすぐ飽きて、
次は教員、チューター、ジャルジャルなんかも挟んだけど、
やっぱり話題はすぐ尽きた。
話すことがないときは、
とりまディスりをいれるのが僕らの常で、
(ホントまあ、口が悪くて、、、)
でも、その対象も身近にいない今、
手頃に遊べるおもちゃといえば、
ついこないだ一緒に入学式を迎えた、
年の割にかなり老けたオジサンとオバサンぐらい。
ジャルジャルなんかよりも興がある(笑
「ドナちん、あれやろ?浪人生やろ?w
ぽいで~?w雰囲気www」
いつもならこの話題になる前にそれを察してすっと消えたり、
それがダメなら何かしら理由をつけて話題転換を図るが、
今回は完全に気を抜いていたし、作業で疲れていたこともあって、
狭い教室の中には逃げる場所は当然に無く、
完全に枯渇した話題燃料も掘り起こす術がない。
でもこの場で黙って場をしらけさせるのは、
この糞つまらない作業で疲弊した上に、
あのポンコツのせいで待たされているイライラを助長させるだけで、
どうにかして場を温める必要がある。
さあどうしたものかと、切羽詰まった僕は、
これだけは避けたいと考えていたことではあるが、
というか、今思えば絶対に思いとどまるべきだったが、
やむおえず、燃料タンクへプルトニウムを投入することに。。。
『えっとなぁ...
「おっとぉ?w
『実はな...そやねん...
「なになに?爆弾発言?w
『俺な..................................浪人生やねん。
~~~~~~~~HATESHINAKI CHINMOKU~~~~~~~~~~
~~~~~~~~MUGEN NI TUDUKU SU BYO KAN~~~~~~~~
「...............え?.....え、えーーーーー!!
マ?マジなん?うせやん?!?!?!
コンマ数秒冷え切ったその場の空気は、
メルトダウンのそれどころでなく、
GW2で放たれた原子爆弾の勢いで、
めちゃめちゃに爆発して、
そのあたり一面の、
テンションというテンションを、
もう収集がつかないほどに、
燃え上がらせた。。。
で、そこからはもうお祭り騒ぎ。
「え?じゃあ、あれ見せてや学生証!学生証!早よ!
...ホンマやん!え、もっかい...ホンマやん!!
「1998年○月○日、、、もう二十歳なるやんw
「冗談で言っただけやのにwwwすっげぇー!!!w
「浪人生こんな身近に居ったとかw
「今までちょいちょい濁してたんもそれでかw
「でも、あれやなwここまで絡んどいて今さら態度変えれ
へんよなw
「”ドナちん”なんか言っちゃってるしなw
そんままでいくで?w
一言一言が、グサッグサッと胸に刺さったが、
いや、体中血まみれになったぐらいの気分ではあったが、
いや、もっとか、本当はもっともっとキツかったけど、
でも、まだ笑いに変えてくれるだけ優しさを感じられた(号泣
「でもあれやな、こういうの暗なるから
辞めといたほうがええな」
ただ、この一言からは垣間見えた、
彼らの中にあるしっかりとした、確固たる良識は、
今後、彼らと付き合っていくことへの心配の上では、
ホッとさせられた瞬間でもあった。
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週の最終日に打ち明けるのは本当に怖かったけど、
この土日祝日の三連休開けが肝になってくるのは間違いない。
グループLINEを見ている限り、
今までと変わったところは見受けられないが、
彼らとは今まで通り仲良くやっていけるだろうか。
彼らへ、必要以上の気遣いをかけるのではないかと、
今はすごく心配だ。